朗希マニアへのステップアップ-。「朗希を○○しよう」の第3回では、本紙の横山健太カメラマン(39)に球場での撮影のコツを聞いた。「朗希を撮ろう」でシャッターを押そう。【構成=広重竜太郎】

佐々木朗のホームマウンド、ZOZOマリンのスタンドを見渡す。最近はファンがお気に入り選手を追い、一眼レフを抱える姿も目につく。カメラの高性能化でプロ並みの写真を撮ることも可能になった。今、球界で最高の被写体は完全試合男の20歳だ。朗希マニアへの1歩を踏み出そう。

横山カメラマンは大船渡高時代から佐々木朗を撮影している。4月10日のオリックス戦の完全試合の瞬間もシャッターを押し続けた。ファンは何をポイントに撮ればいいのか。

(1)左足高く特徴フォーム
(1)左足高く特徴フォーム

横山 左足を高く上げるフォーム(1)が特徴的。その瞬間を撮影すれば、朗希選手だとすぐに分かります。手足も長いので手足を入れて躍動感(2)を出すのもいい。ただ他の選手より手足が長い分、初動からリリースまでの時間が違うため、球を離す瞬間を撮るのが難しい。腕の振りも速い。いい選手=撮りづらい、というのはあります。

(2)長~い手足入れ躍動感
(2)長~い手足入れ躍動感
(3)スパイクから飛ぶ砂に焦点
(3)スパイクから飛ぶ砂に焦点

オンリーワンな投球姿を踏まえて撮った1枚(3)がある。プロ1年目の春季キャンプだ。面白い構図を追求し、狙った。「左足を上げた際に飛ぶ砂に焦点を当てて撮影しました。誰よりも高く足が上がるということは、スパイクにわずかに乗った砂があんなに頭上ぐらいまで上がる選手はいないだろうと」。何げない事象に佐々木朗のすごみが凝縮されている。

投球の一方で、素の顔も撮りたい。マウンドではクールな印象もあり、意外と難しい。「普段、感情をあまり表に出さないので喜怒哀楽の表情を撮れたら素晴らしいです! マウンド上よりもベンチで味方の得点時に喜んでいることが多い」。ベンチ待機中は穴場の撮影ポイントだ。

(4)高3の夏、決勝に敗れ涙
(4)高3の夏、決勝に敗れ涙
(5)投球楽しむ姿見せた
(5)投球楽しむ姿見せた

それでも節目では感情が出るのが佐々木朗の魅力でもある。高3夏の岩手県大会決勝で敗れた時は涙を流した(4)。今春、高知での練習試合(5)では高校時代(6)のように投球を楽しむ姿が表れ、覚醒を予感させた。そして完全試合達成時はマーティンと抱き合い、破顔した。

(6)投球楽しむ姿見せた
(6)投球楽しむ姿見せた
(7)パーフェクト笑顔パチリ
(7)パーフェクト笑顔パチリ

横山 高校時代から令和の怪物と騒がれ期待されながらプロに入ったけど、まだ20歳の若者なんだなぁと。あのくしゃくしゃな笑顔(7)を撮影して思いました。