ロッテのドラフト1位、佐々木千隼投手(22=桜美林大)がデビュー戦で5回を1失点に抑えプロ初勝利を挙げた。野球評論家の西本聖氏は要所を締めた投球にまずは合格点を与えた。

 -5回を3安打1失点、6四球と制球に苦しみながらも勝利投手になった

 西本氏 プロ1年目でローテーションに入った中で、まずは「勝つ」ということが重要。それができたのだから「おめでとう」と言いたい。

 -ZOZOマリンは風速13メートル、名物の強風が吹き荒れていた

 西本氏 佐々木にとって、これだけの強風の中で投げるのは初めての経験だったと思う。でもここがホームグラウンド。先発ローテーションを務めるからにはこの風を知るってことが大事。今日の場合は本塁からマウンドへ吹く向かい風。このケースでは変化球が良く曲がる。普段よりボール3つ4つ曲がることもある。風と戦っても仕方がない。いかに風を味方にできるか。

 -その強風の中での5回1失点は評価できる

 西本氏 並の新人でこの強風だったらパニックになっていたはず。ただでさえプロ初登板。私の初登板は捕手のサインもはっきり見えなかった。甲子園の阪神戦で敗戦処理だったけど、四球、ヒット、そしてラインバックに3ランを浴びた。それを考えればたいしたもの。

 -1点リードの5回に無死二塁のピンチがあった。西川、大谷、中田をいずれも変化球で空振り三振に仕留めて切り抜けた

 西本氏 西川はスライダー、大谷はシンカー、中田はカーブ。1点を争う中で1球の失投もなくしっかりコースに投げ切れていた。今日一番のピッチングでこれは評価していい。こういうピッチングが勝負所でしっかりできるようだと2桁勝利も見えてくるはず。

 -次回登板に期待することは

 西本氏 本来は150キロ近いスピードが出るはず。次回は打者に向かっていく本来の投球が見てみたい。自信を持って投げることが大事。

 -投げ合った日本ハム斎藤について。6回途中6安打3失点で敗戦投手

 西本氏 去年に比べフォーム的にはまとまりつつある。ただ、全体的にボールが高かった。勝負所で高めに浮いたことで井上に打たれた。多投していたツーシームが低めに集まってくれば白星も近づくのではないか。