西武松本航の投球を見る本誌評論家の西本氏(撮影・たえ見朱実)
西武松本航の投球を見る本誌評論家の西本氏(撮影・たえ見朱実)

日刊スポーツ評論家の西本聖氏(62)が3日、宮崎・南郷で行われている西武の春季キャンプを視察。エース菊池雄星が抜けた投手陣を分析した。

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昨年はペナントを制しながら日本シリーズ進出を逃した西武。リベンジを果たすならエース菊池の抜けた穴をどう埋めるかがカギになる。苦しくなると予想していたが、新戦力のブルペンを見て、希望が湧いてきた。

菊池の“穴埋め候補”として挙がるのは、内海哲也とドラフト1位ルーキーの松本航だろう。最初に投げた内海は、抜けた球がほとんどなく、ここ数年の出来と比べて1番のデキだと言っていい。私も33歳の時に巨人から中日にトレードされ、最多勝を獲得できた。内海はFAの人的補償で私とは異なるが、巨人からプロテクトされなかった悔しさをバネにできれば、もう一花咲かせるだけの力は持っている。

もう1人はルーキーの松本で、こちらもローテーション入りはできそうな力を持っている。ゆっくりと足を上げ、ゆっくりと足を下ろしていく独特なフォーム。2段モーションのような足の上げ方で、打者はタイミングを取りづらそう。体の開きも遅く、いきなりパッと球が出てくるイメージ。球速以上にスピード感を感じるのではないか。ゆっくりと足を下ろしていくため、上半身とのバランスが難しく、この日はフォームのバラツキがあったが、投げ込んでいけば修正は可能。まだ変化球やクイックなど未知な部分はあるが、球質もよく、高いレベルの投手であるのは間違いない。

打線は浅村の抜けた穴をどうするかだが、栗山、メヒアといった実績のある野手がいる。最大の補強ポイントだったのは投手力。1人で菊池の代役は難しいが、ベテランとルーキーの活躍次第で、なんとかなる可能性は広がったのではないか。(日刊スポーツ評論家)

辻監督(後方)の前で投げ込む西武松本航(撮影・たえ見朱実)
辻監督(後方)の前で投げ込む西武松本航(撮影・たえ見朱実)