善戦を続ける阪神が、おなじみ「死のロード」に出発しました。

 と書くと「アホか。あれは8月の話やろ」という声が聞こえてきそうなので、とっとと言いますが、ウエスタン・リーグ、掛布2軍監督率いるファームの話です。

 本拠地は言うまでもなく鳴尾浜球場なのですが、ここから姿を消します。

 ざっと書くと5月26日から敵地で広島3連戦、そこから福岡に移動して同30日から6月1日まで月を挟んで、ソフトバンクとタマスタ筑後で3連戦。さらに週末は主催試合だけど、高知まで出張って、安芸、春野で中日と連戦です。

 まだ終わりません。6月9日からも主催試合なのですが、ここは1軍の本拠地・甲子園でソフトバンク3連戦です。さらに同13日からは敵地で中日3連戦。

 16日からはオリックスと豊中ローズなどがあったりしますが、とにかくビジターで3連戦。さらに間が空いて23日からは広島相手の主催試合ですが、これも甲子園球場。鳴尾浜に帰ってくるのは27日、オリックス戦です。実に1カ月以上も鳴尾浜を留守にするというわけです。

 日程表を見ていてあらためて「ふ~ん」と思ったのですが球団関係者によると「最近はこういうケースが多いですね」という。

 阪神の場合はファームでも人気があり、主催試合を外に持ち出すことが多い。さらに近年は1軍が甲子園を留守にしている間の有効利用として甲子園でゲームをすることも増えてきました。

 その結果、「死のロード」とは最近は言いませんが、本拠地を長期間空けることになるわけです。

 何を日程の話ばかりしているのか、という声が再び聞こえてきそうなので、今回のテーマ。それは「今年の阪神は2軍も優勝を目指せ」ということです。

 24日時点で阪神は借金1の3位、首位は強いソフトバンクです。先日、フラリと出掛けた2軍の試合会場で掛布氏と話す機会がありました。

 「今年はいけるんじゃないですか」と言うと「いやいや。ファームはそういうのが目標じゃないからね」とあの声で苦笑されましたが、現在のファームは少し様子が違うと思います。

 金本監督のポリシーで若手でもドンドン、1軍で使っています。そうなるとファームには出番を待つ中堅がたくさんいます。ざっと名前を挙げるだけでも今成、新井、狩野、俊介といったところ。もちろん陽川、板山、緒方といった若い顔ぶれもいます。

 そういう連中が目の色を変えて戦っている。これは、なかなか頼もしい。夏場を過ぎるとソフトバンクが突っ走るのが最近の通例で12年から5連覇中。ここは強いホークスを追い上げて、下からも盛り上げてほしいと思っています。