ムッシュ、2・1ブルペン入り宣言!

プロ野球のキャンプ・インまで2週間。そろそろ「誰それ、2・1ブルペン入り!」のような見出しがスポーツ紙の記事に躍るようになってきます。

この時期、日刊スポーツなどの球団担当記者は選手の自主トレーニングを取材します。対象が投手の場合は「キャンプ初日からブルペン入りして投げます」というコメントで意気込みを示すのが1つのパターン。野球ファンはそれを読んでワクワクしていただく…という形なのですが、そこはいかがでしょうか。

それはともかく、冒頭の「ムッシュ」というのは、言うまでもなく阪神にとって唯一の日本一監督・吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)のことです。

しかし大御所OBの「2月1日ブルペン入り」とはどういうことでしょうか。

現役時代の背番号「23」が永久欠番になっている吉田氏は1950年代から60年代にかけ阪神で「牛若丸」の異名を取った名遊撃手でした。

「牛若丸」という表現からしてなんとも時代がかっているのですが、正直、今も動きは軽やかです。とても85歳の人物には見えません。やはり鍛え上げてきた「プロ」とはこういうものか、といつも思います。

さて野手出身の評論家、解説者は、現役選手もやはり野手に目がいきます。逆に投手について評論、解説というのは遠慮しがちな傾向があります。

もちろん吉田氏のように監督経験者は起用面から投手を語ることはありますが技術論はあまり語らないもの。そういう部分からキャンプでも投手の練習、つまりブルペンにはあまり足を向けないことが多いのです。行くとしても野手をひと通り見てから…、というのが通常です。

しかし先日、吉田氏らが集まる阪神OBを中心にした親睦会「天地会」で話した吉田氏はこんな意気込みをぶち上げたのです。

「今年は投手が楽しみですわ。そこは他球団に比べても名前が出てくるでしょ。阪神はやっぱり投手と違いますか。だからね。ボクもね、キャンプでは1日からブルペン行こかとおもてますねん」

まさに「2・1ブルペン入り宣言」です。復活が期待される藤浪、若い才木、望月、さらにオリックスからFAで加入した西と楽しみな投手は多い今年。吉田氏の言う意味も分かります。

そんなとき、阪神の春季キャンプを張る沖縄・宜野座村の「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」が改修されたことが発表されました。

目玉は「屋内ブルペン」の新設です。広さは以前の1・5倍ほどあるそう。さらに、ファンが投球場面をしっかり見られるように約120人が座れるスペースも用意されているとか。

こうなれば吉田氏も足を運びやすいというもの。「2・1ブルペン入り」を確認したいと思います。

ちなみに「天地会」とは85年に歓喜の日本一に輝いた同じチームで2年後の87年に最下位になり、「天国と地獄経験したメンバーの集まりですわ」(吉田氏)。結成から、すでに30年以上の歴史を誇ります。

こういう集まりが継続しているのも阪神が日本一になったからでしょう。

最下位の「地獄」は昨年も経験したことですし、そろそろ「天国」の方も…。それが虎党の願いなのは間違いありません。