第100回全国高校野球選手権記念岡山大会に出場している、おかやま山陽野球部が19日、西日本豪雨の被害を受けた岡山県浅口市で土砂撤去作業を行った。岡山県の社会福祉協議会から学校へ依頼を受けて、この日はベンチ入りメンバー全員で参加した。

 土砂撤去作業を手伝ったのは裏山が土砂崩れを起こした家。家の周りの側溝には土砂が入り込んだため水はけが悪く、また雨が降れば水が家の中へ入り込んでしまうような状況だった。ナインは、側溝から土砂をかき出すなど約3時間活動。この日は初めて女子マネジャーも参加した。堤尚彦監督(46)は足場が悪いこともありためらっていたが、「行きたい」という希望に押されて参加を認めた。

 主将の井元将也内野手(3年)ら倉敷市真備町に自宅のある選手は、自らも豪雨の被害を受けながら、復興作業を続けている。井元は「自分の家も浸水しているけど、自分の家より被害のあるところもある」と話していた。

 おかやま山陽は、前日18日の備前緑陽との2回戦を突破したばかり。14日の初戦、岡山工との1回戦を終えた翌15日も、土砂やがれきの撤去作業を行っていた。夏の大会真っ盛りだが、作業中に「頑張って」と応援されることもあり、泣きながら「ありがとう」と感謝されることもある。堤監督は「選手たちのためにもなっていると思う」と話した。

 おかやま山陽から東北福祉大に進む選手が多いことから、22日から東北福祉大野球部10人も岡山を訪れ復興作業を行うことになった。おかやま山陽野球部も、依頼があれば活動を続ける予定だ。【磯綾乃】