兵庫の独自大会では4回戦まで、二塁、三塁の塁審を生徒が務めた。これまで春や秋の地区大会ではあったが、夏の大会、県大会レベルでは初めてという。

今回は8強止まりの大会。7日の5回戦は各地で各試合に審判員が4人配置される。だが、ここまでコロナ禍などでの審判不足を支えたのは生徒審判だ。体操服やジャージーに帽子をかぶった姿で奮闘した。福留和年理事長(60)は「本当によくやってくれたと思います。兵庫では数年前から各地区で研修会を行っていて、そこで研修を受けた生徒たちが務めてくれています」とうれしそうに話した。

兵庫内でも各地区で運用は違うが基本的には、ある球場で2試合予定されていれば、当該試合ではない両校から4人の生徒が選ばれ、そのうち2人が審判を務める。5日の伊丹球場での4回戦、関西学院-市尼崎の生徒審判は声も大きく、自信を持ってジャッジをしていた。研修を受けているからこそだと感じた。

生徒審判のほとんどは1、2年生だという。全国大会、甲子園につながらないとはいえ、負けたら3年生は引退の夏の大会を裁くプレッシャーはあっただろう。一歩引いた位置から野球を見た経験は新チームがスタートした後にも、きっと役立つはずだ。3年生のためがメインだった独自大会。1、2年の生徒審判を務めた彼らにも実りが多い大会だったと思う。【石橋隆雄】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)