4番に代打だ。それも助っ人の代わりに助っ人である。理由もどこかが痛いだとか、でも大丈夫だとか、なんだかよく分からない。悔しい3連敗にオチがついた形だ。東京ドームに来る前に「この3連戦、もしも勝ち越せれば」などと少しだけ期待していた。しかし、これが現実である。

これで今季の巨人戦、負け越しが決定。東京ドームでも11試合で4勝8敗と分が悪い。2試合を残して負け越しが決まっている。敵地だから、というのは、もちろんあるだろう。

それでも、この3試合だけを見ても主軸を中心に本塁打が出るチームと、そうでないところの差は大きいと思う。その面では現在の阪神にとって東京ドームは不利な球場だと思えて仕方がない。

「ドームに弱いって、まあ、ウチが打ってないってことですよね。弱いって言っていてもしょうがないんですけど」。冷静にチームを見ているヘッドコーチ清水雅治も3連敗に言葉を探すのが難しい様子だ。

ここまで書いて虎党にはおそろしい? 事実を記しておきたい。阪神は来季、この東京ドームで普段よりもはるかに多い「20試合」を戦うことが決まっているという点だ。

143試合制の現在、交流戦6カードを除き、セ・リーグ5球団とは各25試合を戦う。巨人とは今季、甲子園で12試合、東京ドームで13試合。来季はその逆で東京ドームでのGT戦は12試合のはず。なのになぜ20試合もあるのか。

お気づきの通り、東京オリンピック(五輪)による影響だ。五輪期間中のプロ野球は休止されるのだが、期間中以外にも影響は出る。横浜スタジアムが五輪の野球・ソフトボールのメイン球場として使用される。さらに五輪のメインスタジアムに隣接する神宮球場も関係者の待機場所、資材置き場となる。ヤクルト、横浜の2球団は本拠地を使えない時期がある。

それにより阪神はヤクルトと5試合、DeNAと3試合、合計8試合を東京ドームで“追加”される。1つのビジター球場で年間20試合はかなり多い。しかも東京ドームである。

「苦手意識はないと思いますけどね」。球団副社長兼球団本部長の谷本修はそう話した。たしかに球場に負けているわけでない。それでも普通に考え、何度も言うが、本塁打が出るのとそうでないのは大きい。来季へ向け、しっかり考える必要のある部分だと思う。(敬称略)

巨人対阪神 4回裏巨人1死一、三塁、増田大(右)に適時三塁打を浴びがっくりとマウンドに戻るガルシア(撮影・垰建太)
巨人対阪神 4回裏巨人1死一、三塁、増田大(右)に適時三塁打を浴びがっくりとマウンドに戻るガルシア(撮影・垰建太)