なんだかバタバタしている。阪神は。「10試合連続失策」というプロらしくない状況もあって無理もないのかもしれないが、どうにも落ち着かない。象徴的だったのがロドリゲスの交代ではないか。

5番一塁でスタメン出場、2回無死一塁では空振り三振を喫した。その裏の守備、無死一、二塁でのバント処理で間に合わない三塁へ投げて野選。これで満塁になり、併殺崩れで先制を許した。そして4回、2度目の打席で三振を喫するとその裏の守りから原口文仁に交代となった。

「ロドリゲスの交代はケガですか?」。そんな虎番記者の質問に指揮官・矢野燿大の答えは「全然」。補足すると「全然そんなことではない」という意味のようなので4回表までの打撃、守備の様子を見て外す判断をしたということだ。

ロドリゲスの状態はよくなかった。この連敗中は無安打で13日中日戦は欠場させたほど。それでも使ったのは長打に期待するからだろう。極端な話、3三振の後に本塁打というケースもあること。ちょっと分からない交代だ。

佐藤輝明の「4番降格」も同じだ。打撃不調だし、メンタル面を考慮してこれ以上、4番を打たせるのはきついとの判断だろう。若者に配慮してのことならそれも仕方ないが、現状、佐藤輝の代わりはいない気もする。

それでも外すというなら、独断と偏見で言わせてもらえば、落とすよりも上げる方がいいのではないか。3番、あるいは一時やっていた2番など。佐藤輝は現状のメンバーの中では走れる方だ。

外国人が4、5番だったこの日のスタメンを見て感じるのは、うまくいけば大量得点できるかもしれないが、しぶとく点を取るのは難しいのでは…ということだ。足を使えるのは1番の島田海吏だけ。クリーンアップが順当ならそれでもいいが、今はとにかく試合を動かしたいはずだ。

例えば島田から木浪聖也、佐藤輝という打順ならもう少し何かできそうな気もする。いずれにしても「バタバタ」は盗塁だったり、エンドランだったり、塁上でやってほしい。

5位転落とはいえ開幕時はぶっちぎりの最下位だった。離脱中の面々が戻れば少なくとも2位まで再浮上できる可能性はゼロではない。連敗を止められずこのまま落ちていくか。こらえるか。正念場だ。(敬称略)

ヤクルト対阪神 4回表阪神1死、ロドリゲスは三振に倒れる(撮影・加藤哉)
ヤクルト対阪神 4回表阪神1死、ロドリゲスは三振に倒れる(撮影・加藤哉)
ヤクルト対阪神 4回表阪神2死、佐藤輝は左中間を破る三塁打を放つ(撮影・加藤哉)
ヤクルト対阪神 4回表阪神2死、佐藤輝は左中間を破る三塁打を放つ(撮影・加藤哉)