駒大苫小牧が苫小牧東に逆転勝ちして道大会出場を決めた。エース伊藤大海(ひろみ=3年)が10奪三振で1失点完投。終盤のピンチをしのぎ、白熱の投手戦を制した。

 圧倒的な気迫をまとった背番号1が、マウンドに仁王立ちした。配球が偏った1回、2安打で先制点を失うと、途端にスイッチが入った。1回2死一塁から、4者連続三振。「追い込んだ後は、際を狙って投げた」。外角低めいっぱいに伸びる直球を、苫小牧東の各打者は、ただ見送ることしか出来なかった。

 7回2死一、三塁では内角直球で見逃し三振。8回1死満塁でも、それまで3安打を許していた相手4番を内角球で詰まらせ、投ゴロ併殺で大ピンチを脱した。冬場にフォームを見直した右腕は「今まで以上に真っすぐがいっている」。奪った10三振のうち、見逃しは8つ。直球の威力は、最後まで落ちなかった。

 昨年のセンバツで完封勝ちしてから、1年以上が過ぎた。4月中旬には新キャプテンに就任し、エースで主将で3番と、大役をいくつも担う。「自分にとって、プラスになると思っている」。変わらない負けん気の強さで、ラストイヤーを突き進む。【中島宙恵】