1人だけの野球部員、高橋空聖(ひろき)主将と助っ人9人の文理開成が、19失点で5回コールド負けを喫した。3回には7安打に8四球、3失策と守備が崩れ、16失点。それでも、部活動に所属していなかった助っ人の4番黒川英充捕手(3年)が2打席連続本塁打を含む3打点の活躍で、一矢報いた。

 今年4月から文理開成に転入。前校では1年の冬まで野球部に所属していた黒川は「2本とも完璧な1本でした。大差で負けたけれど、楽しめました」とやり切った表情を見せた。

 遊学館(石川)時代の05年に甲子園でベンチ入りした角田佳昭監督(28)は「もしかしたら勝てるかも、という気持ちが3回の大量失点に出てしまった。高橋は3年間、1人になってもよくやり続けてくれた。黒川も真剣に取り組んでくれた成果が出た」と選手をねぎらった。