野球のU18(18歳以下)日本代表、平沢大河内野手(仙台育英3年)が3安打1打点の活躍を見せた。同代表は奈良・生駒市内で近大と初めての練習試合を行った。2番遊撃で先発した平沢は、第1打席から3打席連続安打。本塁打が出ればサイクルと、木製バットへの高い適応力を見せた。28日開幕の第27回U18ワールドカップ(甲子園ほか)で、初の世界一を狙う。試合は近大が勝った。

 初めて実戦で使う木製バットになっても、平沢の打撃力は変わらなかった。近大は1、2年生のメンバーだったが、初回に右翼線三塁打、第2打席の3回は右越えタイムリー二塁打、第3打席の5回は左前打と広角に打ち分けて5打数3安打。「しっかり振り切れた」。3本ともカウントを取りにきたストレートを狙い打った。

 これまで木製バットは、マシン相手の打撃練習で使っていた程度。それでも「強く振ることを意識している。捉えれば飛んでいく」と言う。もともとバットの芯で球を捉える技術は高いが、木製になって「よりボールを見るようになった」と付け加えた。金属より集中力を高めて振り切る。それがヒット量産の大きな要因になった。

 仙台育英で3番だった打順は、2番で起用された。西谷浩一監督(45)は「急造チームで、つないでほしかった」と説明。ただバントなどの小技は求められず、平沢は「監督からは1番、3番のつもりでと言われている」と話す。U18代表では、強打の2番打者として期待がかけられている。

 高卒でのプロ入りを希望している。木製バットは将来への準備になる。「まずは木製で結果を出さないと、上のレベルではダメだと思う」と自覚も十分だ。

 夏の甲子園は3本塁打を放ちながら、惜しくも準優勝。「日本一はあと1歩でダメだったので、世界一目指してみんなと協力し合いたい」。「JAPAN」の誇りを胸に、新たな目標へ走りだした。【久野朗】