3番遊撃で先発した仙台育英・平沢大河内野手(3年)が初回にチーム初打点を挙げるなど2安打2打点の活躍でジャパン初勝利に貢献した。1回裏無死一、三塁の初打席では左翼へ先制犠飛。5回に右前打、6回に中前適時打と、きっちり中軸の役割を果たした。2つの遊ゴロを華麗にさばくなど攻守ともに魅せた平沢は「いいゲームだった。次は、もっと積極的に振っていければ」と、充実の表情で振り返った。

 柔らかく力強いスイングが魅力の、宮城が生んだ天才打者だ。この夏の甲子園で3本のホームランを決め、一気に名を全国に知らしめた。24日の近大との練習試合では3安打1打点、26日の大学日本代表との対戦では創価大・田中正義から三塁打を打つなど、バットを金属から木製に持ち替えてもセンスの高さを見せつけている。平沢は「ちょこまかしないで、まずは強く振ってこいと(佐々木)順一朗先生に言われてきました」と話す。代表でもフルスイングを貫く。

 決勝翌日に仙台に凱旋(がいせん)した際には駅で大勢のファンに祝福された。多くの人から応援されていたことを実感するとともに「優勝したかった」と悔しさもこみ上げた。「日本一を達成できなかった分、今度は世界一を絶対とりたい」と頂点への気持ちは熱い。【高場泉穂】