エースの誇りを、取り戻した。北星学園大付の背番号1、佐藤迅人(はやと)投手(2年)が、3回2死満塁から意地の好救援。1点を争う展開で、北海学園札幌の5番打者を中飛に仕留めて窮地を脱し、4回以降も1安打1失点(自責0)で勝利に貢献した。

 先発した1回戦では、9四死球に被安打9とふがいない投球で、味方に助けられた。「気持ちだけ焦って、投げ急いでしまった。全員野球が出来なかった」。気持ちを立て直し、迎えた2回戦。もう、失敗は、したくなかった。

 小樽から、札幌へやって来た。現在は元力士が営むすし店に下宿し、学校に通う。店の、のれんには「心技体」の文字。「中学時代はだらしなかったけど、自分勝手じゃなく、周りを見て行動できるようになった」。礼儀に厳しいチームカラーにも、育てられた。

 今春はセンバツ帰りの東海大四に、夏は北海に、それぞれコールド負け。技術差より、野球に対する意識の違いを感じた。沼山健吾監督(32)は「以前なら、北海学園札幌相手に、今日のような試合は出来なかった」。心から鍛え直して迎えた秋、09年以来の全道大会を目指す。【中島宙恵】