智弁学園(奈良1位)が初戦を突破した。智弁学園は1番を打つ太田英毅内野手(1年)の先頭打者本塁打から試合の流れをつかみ、2年ぶりの勝利。

 スーパー1年生が奈良にもいた。早実(西東京)・清宮幸太郎(1年)が逃した来春センバツに太田は1歩前進した。初回、初の先頭打者弾になる高校8号を左翼ポールにぶち当てた。2安打3打点で、2年ぶりの秋の近畿8強に導いた。

 「清宮君は中学時代に見たことがあります。インパクトがあって、いい打者だと思いました。同じ1年生だし、負けられない」と話す顔は初々しい。太田も「神戸中央リトルシニア」に所属した緑が丘中(兵庫)時代から注目された選手。チームの先輩がいた縁で智弁学園を進学先に選んだとき、落胆した強豪校はいくつもあった。巨人岡本らを育てた小坂将商監督(38)が「3、4番も打てる選手で、本当にスケールが大きい」と楽しみにする。

 大阪桐蔭と戦う準々決勝。「1番打者としてチームに勢いをつけられる打撃をしたい」と16歳は目の色を変える。【堀まどか】