プロ注目左腕が、来春センバツ出場に前進した。今夏の甲子園で145キロをマークした花咲徳栄(埼玉)の高橋昂也投手(2年)が、8奪三振2失点で完投。9球団のスカウトが見守る前で、キレ味抜群の変化球を披露した。

 「埼玉のドクターK」こと高橋昂が初回から本領を発揮した。先頭への四球から招いた1死一、三塁のピンチ。「スライダーよりキレがある」というフォークで連続三振を奪った。9回の2ランなど7安打を浴びながらも144球完投。今秋の県大会で早大本庄から19三振を奪った左腕は「球が荒れていたけど、フォークは抜けない自信があるので割合を増やした」。直球は130キロ台後半止まりでも、自在の投球術で勝利に導いた。

 プロを手本に成長を続けてきた。右手足の動きは「藤川球児さんを参考に、甲子園後に変えた。テンポが出て、低めに集まりやすくなった」。しなやかな腕の振りは阪神能見、三振で抑えるスタイルは楽天松井裕を目標とする。打者の左右を問わず「内角のフォークで勝負する」という度胸も武器だ。岩井隆監督(45)が「コースに投げれば打たれない」と信頼するエースが混戦の関東を制圧する。