「打倒履正社」へ、スタートを切った。第89回選抜高校野球(19日開幕、甲子園)に出場する日大三(東京)が11日、町田市内で横浜(神奈川)と今年初めての練習試合を行い、4-3で逆転勝ちした。前日の抽選会で、優勝候補に挙がる履正社(大阪)との対戦が決定。先発した最速144キロ左腕の桜井周斗投手(3年)は「仮想・履正社」を意識した。右打者がそろう横浜打線には、特に4番の若林をイメージ。初回、横浜の4番万波中正外野手(2年)に全4球スライダーを投じ、空振り三振に仕留めた。3暴投が絡み2失点したが、4回4安打2三振でまとめた。阪神、巨人、ロッテのスカウトが視察し、阪神のスピードガンで最速140キロを記録。桜井は「上位打線にはあまり打たれなかったし、スライダーはコントロールできた」と言った。

 2試合目は3番中堅で出場。0-7で敗れたが、履正社の右腕エース竹田を想定し2安打を放った。阪神畑山チーフスカウトは「あのスライダーは右も左も打ちづらい。今後も注目する」と、桜井を評価した。19日の1回戦へ向けてピッチを上げていく。【和田美保】