今センバツ限りで勇退する永田裕治監督(53)率いる報徳学園(兵庫)が、大勝発進した。花道を飾ろうと結束する選手は、打ちも打ったり21安打。初回に2点を先制すると、3、9回に打者一巡の猛攻。同校の甲子園最多となる21得点をたたき出した。永田監督は「最高です。選手に感謝しかない」と教え子たちをほめた。

 同校の聖地最多得点を刻む17点目は、9回の小園の本塁打だった。1年春からレギュラーとして起用され、永田監督が教える最後の世代だ。小園は「永田監督と野球をやるのは最後なので1戦全力で」と誓う。

 永田監督は試合前「勝って校歌が歌えるのは最高。人生の中でもなかなか経験できないこと」と話していた。聖地に勝利の校歌が流れると、記録員が声をつまらせていた。永田監督も涙が出そうになった。「勝ってくれて、校歌も歌えて良かったです」。涙は優勝の校歌までとっておく。【磯綾乃】

 ◆21ずくめ 第2試合は21にちなんだ数字が並んだ。21度目出場の報徳学園が21世紀枠の多治見に21安打、21得点。永田監督は甲子園通算21勝目。試合終了は午後2時10分。岐阜県の都道府県コードは21番で、多治見の漢字画数は21画。21日付の新聞で報じられる。

 ◆兵庫県勢300勝 報徳学園が勝ち、兵庫県勢は春夏通算300勝目。都道府県別で300勝は大阪府(354勝)に次ぎ2番目の到達。学校別勝利3傑は(1)報徳学園56勝(2)東洋大姫路33勝(3)育英28勝で、報徳学園がメモリアル勝利を手にした。

 ◆4人完封リレー 報徳学園が大会史上初めて4投手の継投で完封。夏の大会では12年常総学院と14年高崎健康福祉大高崎が記録している。

 ◆欠場 報徳学園(兵庫)・塩月陸斗外野手(3年)が発熱のため、1回戦・多治見(岐阜)戦を欠場した。