「清宮フィーバー」が、高校野球では異例のナイター決勝戦を実現させる。東京都高校野球連盟は16日、春季東京大会の決勝戦を27日の午後6時から神宮で実施すると発表した。23日の午前11時から神宮第2で行われる予定だったが、準決勝にセンバツ出場の清宮幸太郎内野手(3年)擁する早実と日大三、さらに名門の帝京、国士舘が残った。注目度も高く、収容人数5632人の神宮第2ではあふれ返るとみられ、収容人数3万1828人の神宮に変更された。

 高校野球では異例の舞台が用意された。東京都高野連は春季東京大会の決勝戦を27日の午後6時から神宮で開催すると発表した。本来は23日午前11時から神宮第2で予定されていた。また22日に2試合行う予定だった準決勝も、22、23日に分けて行うことも決まった。

 球場の変更もだが、何よりナイター開催は極めて異例といえる。日本高野連の竹中雅彦事務局長は「天候などによる結果的なナイターはあっても、もともと決まっていたことは、おそらくないです」。東京都高野連の武井克時理事長も「記憶にないです」と語った。

 理由は清宮の存在が大きい。竹中事務局長によれば、数日前に東京都高野連から相談があったという。「早実が決勝に進出した場合、神宮第2では観客が入りきらないと思われます。ナイターで開催してもよろしいですか」という内容だった。安全面に考慮する理由も大きかった。球場や東都大学リーグ関係者と協議の上、早実が準決勝を決めた段階で同リーグの予備日である27日の開催が正式に決まった。大学野球との兼ね合い、平日の授業時間を避ける理由から午後6時プレーボールとなった。

 武井理事長は「苦肉の策です。球場に入りきれず、見られない人が出てくる状況は打開したかった」と説明した。この変更により、集客は大幅に増える見込みだ。球場の収容人数は5632人から3万1828人に増える。また、仕事帰りの会社員なども観戦できる。当日は首都圏でプロ野球の開催もなく、野球ファンから大いに注目されそうだ。

 早実以外にも、センバツに出場した強打の日大三、名将・前田三夫監督が率いる帝京、強打が自慢の国士舘と、名の知れた高校が残っている。どこが決勝に残っても盛り上がりそうだ。武井理事長は「早実の盛り上がり、日大三高の人気。古豪、名門の帝京、国士舘も入った。選手にとっても幸せ。思いきりプレーしてほしいです」と話していた。

 ◆大学野球では 92年秋、ヤクルト-西武の日本シリーズ開催のため、東京6大学野球連盟が譲歩。昼間に神宮球場でシリーズを行い、6大学リーグを史上初めてナイターで実施した。第1試合で明大に完投勝ちした早大・織田は寒さ対策にアンダーシャツを10枚持参。第2試合の9回表に午後10時を迎え、鳴り物応援は中止になった。