札幌地区では今春センバツ出場の札幌第一が登場。北星学園大付を12-5で下し好発進した。

 札幌第一が17安打12点と、猛打で北星学園大付を下し初戦突破した。主将の中村泰賀右翼手(3年)が大会直前の練習試合で右肩を負傷。開幕前日の8日に代役として緊急登録された1年生の大宮昂汰郎右翼手が、3安打1打点と奮闘し、勝利に貢献した。

 本来はベンチ入りすらしない新戦力が、窮地を救った。まず3回2死一、二塁で左前打。「あれで楽になった」とリズムをつかむと、5回無死三塁から適時右前打で6点目をたたき出した。8回には1死から中前打で出塁し、11点目の生還。上々の公式戦初陣も「中村さんの分も背負ってやらなきゃと心がけた。まだまだできることがあった。トータルは60点ぐらい」と謙虚に振り返った。

 “主将の代役”をするだけの資質は秘めている。父善輝さん(46)は札幌第一OBで、卒業後は社会人野球の大昭和製紙でプレー。大宮自身は父の指導の下、苫小牧リトルシニアで全国大会を経験した。菊池雄人監督(44)は「打って走って守れる。お父さんもそうだったが、練習に取り組む姿勢もいい」と言う。心技とも優れたDNAは、センバツ出場した強豪の中でも、しっかり輝きを放った。

 そのセンバツをテレビ観戦し「自分も一緒に甲子園に行きたいと思った」と胸ふくらませる。今春は初戦で高崎健康福祉大高崎に1-11と完敗したが、ルーキーの力を融合し、全国でも勝てる集団へと進化を図っていく。【永野高輔】