プロ注目右腕の啓新(福井1位)牧丈一郎投手(3年)が7回を5安打8奪三振で無失点、最速148キロをマークして初戦突破に貢献した。

 巨人、ヤクルト、ロッテなど10球団以上のスカウトが見守る中、序盤は140キロ前後と自慢のスピードは抑え気味。4回に1死二、三塁を迎えて、「先制点をもらった直後だったので、ここは抑えなければいけないと、ギアを1段上げました」と2球連続で148キロを計測するなど、力勝負でピンチを断った。

 大八木治監督(63)は「情けない。2週連続で152を投げてきて、今日は153か154が出るかなと思っていた。それを上回れないのは、精神力の弱さがある」と不満顔だったが、牧は「回と打順によって力の入れ具合を変えました。(4回は)ボールが指にかかって、(スピードが出ている)感覚はありました」と内容に納得した。

 牧は5月下旬、福知山成美(京都)と東邦(愛知)相手に2週続けて、ともに自己最速タイの152キロを計測。スカウトの間でも存在が急浮上していた。