開校3年目のふたば未来学園(福島)が悲願の夏初勝利を快挙で成し遂げた。エース左腕・草野陸世(りくと)投手(3年)が9回を88球で抑えきるノーヒットノーランを達成。3-0で福島北を破り、夏の大会では初めて校歌を歌い上げた。同校は、東日本大震災と原発事故の影響を受け、福島県双葉郡の県立高5校を統合する形で、15年春に開校した。東日本大震災から6年と4カ月のこの日、復興半ばの地元に明るい未来の風を届けた。

<ふたば未来学園の開校経緯>

 11年3月に起きた東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で避難生活を余儀なくされ、困難な教育状況に置かれた福島県双葉郡8町村の子どもたちの教育の復興と人材育成を目指し、15年4月、同県広野町に中高一貫校として、高校が先に開校した。

 事故前、同郡には5つの高校に計1500人の生徒が在籍。全生徒が避難を余儀なくされ、11年5月からは「サテライト方式」の授業が行われてきた。同校が開校し、進学の受け皿となった。1期生は152人が入学。今年4月現在、全校生徒は422人になった。

 「前例なき環境には、前例なき教育を」の理念のもと、秋元康氏、宇宙飛行士の山崎直子さんら「ふたばの教育復興応援団」による特別授業が特徴。国際的に活躍できるリーダー育成を目指す、文部科学省の「スーパー・グローバル・ハイスクール」にも指定されている。制服は、AKB48の衣装を手がける茅野しのぶ氏がデザイン。秋元氏がプロデュースした校歌は、詩人の谷川俊太郎氏が作詞し、箭内道彦氏が作曲した。