最高の相手だ! 7日に開幕する全国高校野球選手権(甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われ、2年連続10度目出場の盛岡大付(岩手)が、昨夏の覇者・作新学院(栃木)と激突することが決まった。8日の大会第2日の第1試合で、東北勢の先陣を切る。

 高校通算60本塁打を誇る、主砲の植田拓外野手(3年)が自然と言葉に力を込めた。「最高の相手です」。主将の比嘉賢伸内野手(3年)が引いたクジの隣を、連覇を狙う作新学院が引き当てた。関口清治監督(40)も「甲子園に出ないと戦えない。願っても簡単に当たる相手ではない」と前向きに捉えた。

 「前回の覇者と最近、よく当たると思います」と関口監督は笑った。今春のセンバツ2回戦では昨春の王者・智弁学園(奈良)と対戦した。左腕三浦瑞樹(3年)の完投で5-1と勝ち、盛岡大付は春夏通じて初めて8強入りした。今夏も作新学院を破れば、まさに連覇キラー。「最初に強い相手をたたいておけば勢いに乗れる」と植田は目を見開いた。

 チーム打率は昨夏の岩手大会と同じ3割9分5厘。本塁打数は植田の4発を筆頭に、1年前より8本も多い10本が飛び出した。破壊力に加え、調子に波があった1つ上の代の打線より安定し、つながる。作新学院の栃木大会の打率は3割9分3厘とほぼ互角。関口監督は「打撃戦に持ち込めるかどうか」と話す。比嘉主将は「打ち負けたくない」と闘志をむき出しにした。

 勝ち上がった昨夏、今春と同じく、東北6県の先陣を切る。関口監督は「常に東北のトップバッター。勢いを与えられればいいと思います」と責任感を口にした。王者を撃破すれば盛岡大付にも、みちのく勢にも、大きな流れを呼び込むことになる。【久野朗】