第62回全国高校軟式野球選手権大会(24日から6日間、兵庫県明石トーカロほか)で、南東北代表の仙台商(宮城)と北東北代表の専大北上(岩手)が、東北勢としては10年の能代(秋田)以来7年ぶりの全国制覇を目指す。南東北大会で史上初の4連覇を達成し4年連続15度目出場の仙台商は1、2年生主体の若いチームで、レギュラー9人中5人が佐藤姓だ。開幕の24日に北部九州代表の福岡大大濠と対戦する。

 南東北大会史上初の4連覇を達成してつかんだ4年連続の全国切符。小池将希主将(3年)は「夏までは結果が出ずに苦しかったが、4連覇を達成して自信がついた。昨年の8強超えを目指す」と満足はしていない。一昨年、昨年と2年連続で8強に進出。初戦(24日)は同校初となる開幕戦で、福岡大大濠と対戦する。西山康徳監督(35)は「開会式後で観客も多く、独特な雰囲気で試合ができる」とプラスに考えて、勢いをつけるつもりだ。

 先発9人中5人を占める佐藤姓がチームを引っ張る。大黒柱の2年生エース右腕佐藤らいむは、中学までは捕手だったが高校入学後に投手へ転向。183センチの上背から豪快に投げおろす最速132キロの直球を武器に、南東北大会は2試合に先発し、決勝(東北学院戦)では完封勝利。「完封は自信になった。安打を打たれてもピンチではギアを上げて三振を狙う」と初の全国マウンドへ意気込む。

 打線の中心は佐藤ツインズ。広角に打ち分ける確実性が持ち味の3番佐藤涼太と、チーム一の長打力を誇る4番佐藤大輔(ともに2年)。佐藤涼が「つなぐことを意識している。大輔に回せば何とかしてくれる」と言えば、佐藤大は「フルスイングで試合を決める一打を打つ」と自覚十分。家でもお互いの打撃をチェックして高め合う佐藤ツインズが、チームに勢いをもたらす。

 昨年は準々決勝で早大学院に0-2で敗退。「8強の壁を越えるためには打力アップが必要」(西山監督)と6カ所でのフリー打撃やロングティーで例年以上に打力を強化。西山監督も「個々の打力は昨年以上」と手応えを感じている。昨年もレギュラーとして出場していた小池主将は「昨年は自分たちの野球が出来ずに負けた。まずは守備をしっかり行い、鍛えた打力を発揮したい」と昨夏の8強超えへ自信を持って全国舞台に挑む。