第62回全国高校軟式野球選手権大会(24日から6日間、兵庫県明石トーカロほか)で、南東北代表の仙台商(宮城)と北東北代表の専大北上(岩手)が、東北勢としては10年の能代(秋田)以来7年ぶりの全国制覇を目指す。強力打線で5年ぶり5度目の出場を決めた専大北上は、25日にPL学園(大阪)と対戦する。

 専大北上は北東北大会決勝で秋田商を延長10回、4-3で下し5年ぶり5度目の出場を決めた。仙台育英(宮城)のコーチとして02年に全国制覇の経験がある菅野裕二監督(43)の「投手は140キロ、打者はスタンドインを目指す」というダイナミックな指導の下「入学当初は(この学年で)全国を狙えるとは思っていなかった。ひたむきで、1つ1つの練習に手を抜かない」という選手たちが、集大成の夏に全国切符を勝ち取った。

 最大の武器は長打力。岩手大会準決勝(盛岡商戦)では5番浜崎正寛外野手(3年)が左翼席へ満塁弾を放つなど、飛距離の出にくい軟式球で各選手が外野オーバーの打球を連発した。冬場は練習後に1人1合の白米を食べることをノルマとし、週4回のウエートトレーニングで肉体を強化。チーム平均体重は約8キロアップし「春になってスイングスピードが格段に上がった。打力は全国でも通用する」(菅野監督)と自信を見せる。

 エース右腕菅原瑠生(3年)がチームの大黒柱。右スリークオーターから最速133キロの直球を主体にスライダー、カーブ、シュート、チェンジアップなど球種も多彩。昨秋から毎晩、風呂上がりにチューブを用いてのストレッチで肩周りの柔軟性アップに取り組み「7割の力で強い球が投げられ、終盤でも球威が落ちなくなった」と成長を実感。打でも4番に座り「投手としてはゲームをつくること。打撃ではみんながつないでくれたチャンスを逃さない」と自覚十分だ。

 大会第2日(25日)にPL学園との初戦を迎える。開会式で選手宣誓の大役も務める小原宏斗主将(3年)は「緊張もするが、打撃はどのチームにも負けていない。日本一を目指す」と5年ぶりの全国舞台で大暴れするつもりだ。