仙台南が3位決定戦で角田を8-1の7回コールドで圧倒し、77年の学校創立以来41年目で春秋通じて初の東北大会出場を決めた。打っては4番岩崎勇利(はやと)内野手(1年)が5回に勝ち越し右前打を放つなど2安打4打点と爆発。投げてはエース右腕永倉優大(1年)が7回5安打1失点と粘った。先発9人中5人の1年生が名を連ねる「フレッシュ軍団」が投打に躍動した。東北大会(福島)は10月13日から開幕する。

 校歌が終わって一塁側スタンドへ駆けだすと、目の前には想像すらしなかった世界が広がった。先発に5人の1年生が占める仙台南の「フレッシュ軍団」が臆することなく投打に躍動。2安打4打点の4番岩崎が素直な感想を口にした。

 岩崎 信じられないぐらいにうれしい。入学から半年で東北大会出場は想像してなかった。すごくびっくりしている。

 ナンバースクールに次ぐ公立の進学校が旋風を巻き起こした。岩崎は仙台中田中時代に所属していた宮城利府ボーイズで東北選抜に選ばれたほどの実力者だったが「文武両道を貫いて、公立で強い私立を倒したい」と同校を選んだ。1年夏はエース永倉とともにベンチ入りし、今秋から投打でけん引している。18人の2年生がいる中、19人の1年生のうち、10人をベンチ入りさせた松木健林監督(41)は「偶然です。ウチは選手を集められません。受験があるので」と笑い飛ばした。

 平日は午後5時前に授業が終わる7限目が3日もあり、練習時間は平均してわずか1時間半。午後7時半には完全下校しなければならない。岩崎は帰宅後に「毎日、集中して素振りを100回やってます」と勉強との両立を図っている。短時間での練習で結果的に集中力も磨かれ、今大会は19打数10安打12打点と打ちまくった。東北大会に向けて「1年生とはいえ、4番が打たないと意味がない。挑戦者の気持ちで思い切って食らいつく」と自信を見せた。怖いもの知らずの「フレッシュ軍団」が、思いきり暴れる。【高橋洋平】