聖光学院が決勝で光南を9-2で下し、3年連続13度目の優勝を果たした。5番須田優真内野手(2年)が3安打2打点と爆発。主将の3番矢吹栄希内野手、この日3安打の4番五味卓馬外野手(ともに2年)とともに強力クリーンアップを形成した。3位決定戦は学法石川が湯本を1-0で下して3年連続19度目の東北大会出場を決め、東北6県全18チームが出そろった。東北大会(福島)の組み合わせ抽選会は10月3日に行われ、同13日から開幕する。

 もう迷いはない。須田が吹っ切れた。3回に直球をとらえて左越え2点適時打を放つなど3安打猛打賞。昨秋は1年生ながら4番を務めたが、右肘疲労骨折による3度の手術で今春からはベンチ外だった。そして、今秋から復帰した魅惑の大砲が、ついに完全復活を果たした。

 須田 今まで「打たなきゃ」とか、考えすぎていた。自分は打てなくて当たり前。フラットな気持ちで打席に立って大胆にいけた。

 今大会5試合目にして、初の複数安打をマークした。2回戦まで調子が上がらず7打数2安打で打点0。4番から5番に降格した23日の福島商との準々決勝では意地の本塁打を放ち、復調を感じさせていた。「打順は関係ない、やることは一緒。前2人のカバーができれば」。5番の役割に徹することで自分の打撃を取り戻し、15打数7安打4打点、打率4割6分7厘で締めくくった。

 須田の完全復活で強力クリーンアップが完成した。3番には今夏の甲子園でも先発し、3戦連続の4打点をマークした主将の矢吹が座る。4番には五味が定着した。開幕6番から調子を上げ、準々決勝から須田に代わり大役を務めている。斎藤智也監督(54)は「3人の長打力とミート力は近年トップ。しっかり振れて、強い打球が打てる」と最大級の賛辞を贈る。

 狙うのは同校初となる秋の東北大会優勝だ。昨秋は仙台育英(宮城)との準決勝で4番須田が3打数無安打に終わり、決勝進出とセンバツ切符を逃した。「自分たちの集大成は東北大会で優勝して明治神宮大会に出場し、そしてセンバツにも出ること」。斎藤監督も「まだウチがとったことがない旗を取りにいく。それだけの資格が今のチームにはある」と胸を張る。秋の東北大会を制覇して、13年以来5度目のセンバツを確定させる。【高橋洋平】