センバツにはエンゼルス大谷翔平投手の影響を受けた選手たちが乱立する。昨秋までに最速148キロを誇り、通算20本塁打を積み上げた大阪桐蔭・根尾昂(あきら)内野手(2年)は代表的な存在。今秋ドラフト1位候補として、また史上3校目の春連覇を目指す同校の中心選手として、多くの視線を集める。対外試合解禁となった8日に早速、高校通算21号。個人としてもチームとしても「結果」にこだわることを誓った。今日13日から4回連載で「大谷2世」にスポットを当てる。

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 センバツ出場校が発表された1月26日、根尾は決意を言葉にした。「他の人と違うことをやらせてもらっているんで、責任というかその分やるのが当たり前というのは、練習していても思いますし…。全部やります」。投手&野手の二刀流を当然のように受け止め、覚悟を固めている。

 春夏と出場した昨年の甲子園では、多くのポジションをこなした。投手、遊撃手、三塁手、中堅手、右翼手。野手としての練習を遊撃手に絞ったのは、昨秋に新チームとなってから。西谷浩一監督(48)も「まだ半分も使えてないと思うんですよね、体を」と、中学時代にスキーで全国大会優勝経験があるなど高い運動能力には、まだ可能性が秘められていると感じている。投手としてブルペンに入るのは2、3日に1度。それでも「やっぱりマックスは更新したい。149(キロ)、150(キロ)というふうに少しずつでいいので、コントロールやそういうところも全部上げていきたい」と、根尾の向上心は尽きない。

 幼少時からあこがれはイチロー。「結果を残してるところが一番すごい」。中学生の頃も試合で思うような結果が出ない時にイチローの映像を見た。高い技術、ここぞの場面で結果を出す姿を目に焼き付けてきた。最終学年を迎え、根尾は「結果」にこだわる。「去年よりも間違いなく残さないといけない。そうするためにトレーニングをしていますし、とにかく結果を残す。チームとしての優勝ももちろん、自分の結果もこだわっていく」。対外試合解禁となった8日、関西学院(兵庫)との練習試合。登板こそなかったが、左翼へ鋭い高校通算21本塁打を放つなど早速“有言実行”。努力の結果を見せる舞台は目の前だ。【磯綾乃】

 ◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から「古川西クラブ」で野球を始める。4歳から始めたスキーでは、中学2年時に全国大会のアルペンスキー回転で優勝し、世界大会にも出場した。177センチ、77キロ。右投げ左打ち。