明日23日開幕のセンバツに出場する静岡が、寂しさを乗り越え、24日の駒大苫小牧(北海道)との初戦に挑む。前日20日に県教職員の異動が公示され、大石卓哉部長(37)が、4月1日付で母校の掛川西に転任することに。同日夜のミーティングで知らせを聞いた選手はみな、涙したという。

 一夜明けた21日は雨で、予定された練習試合が中止。大阪市の日本生命室内練習場で約3時間の練習を行った。掛川市出身で、昨秋に左翼から三塁にコンバートされた成瀬和人内野手(3年)は「ある程度、覚悟していましたがショックです」と沈痛な面持ち。大石部長から、つきっきりで守備指導を受けていただけに「全力で堂々としたプレーを大石先生に見せたいです」と話した。

 大石部長は14年4月、静岡に赴任。浜松工コーチ時代も栗林俊輔監督(45)とタッグを組み、チームを支えてきた。「初めはびっくりしましたが、任された場所でできることをやるだけ。栗林監督から学べたことが一番大きかった」。選手たちについては「秋から経験を積んで大人になってきた。自立してきたと感じます」と目を細めた。

 初戦の駒大苫小牧戦に勝てば、3回戦は29日の予定。準々決勝以降は4月開催だ。静高ナインは、大石部長を「2勝」で送り出すべく、さらに結束を高めている。【鈴木正章】