公立校の寝屋川がセンバツ王者の大阪桐蔭を最終回まで追いつめた。

 先発の藤原涼太投手(3年)が7回まで1失点投球。コントロールよく低めに変化球を投げわけ、バットに空を切らせた。8回には3連打で一挙4得点と一時逆転に成功。しかし直後の8回裏に4-3とされ、9回2死二塁から二失で同点とされると、最後は4番根尾昂内野手(3年)に左翼への適時二塁打を浴びサヨナラ負けした。

 藤原は「『不動心』でそこまで何も考えずに投げていたけど(二失の時に)心が揺れて、その瞬間に勝負あったな、負けたなと思いました」と一瞬の心の乱れを悔やんだ。寝屋川は府立の進学校。平日の練習時間は約1時間半。グラウンドも他部と共有のため、普段はダイヤモンドの大きさしか使えないが「質の高い練習を納得がいくまでやっています」。試合直前以外は、選手たちが自分に足りない部分を把握し練習メニューを組み立てている。

 藤原の兄は、京大野球部エースの藤原風太投手(3年=東海大仰星)。藤原も神戸大進学を目指す。「いい試合でも勝てなかったら意味がない。夏、やり返したいです」。試合直後は悔し涙を流した藤原。視線を力強く夏へ向けた。