今年のセンバツ出場校、乙訓(京都)が、「背番号1」川畑大地投手(3年)の好投で初戦を突破した。センバツでは、プロ注目の左腕、富山太樹投手(3年)が先発、川畑はリリーフとして登板してきた。しかしこの日、市川靖久監督(35)が先発マウンドに送ったのは川畑。「初戦が難しいことは分かっていた。一番信用のある投手を選んだ」。川畑は、指揮官の期待に投球で応えた。再三ランナーを出したが、相手に決定打を許さなかった。4回に満塁のピンチを迎え、暴投で1失点も、後続を自慢の直球で空振り三振。大量失点を防いだ。9回を投げきり、2失点完投勝利だ。

 川畑は「完投よりも、まずはチームの勝利が大切」。さらに、7回の失点は味方の失策絡みだったが「走者を出したのは自分の責任」と反省。乙訓の謙虚なエースが、甲子園春夏連続出場に向けて発進した。