京都大会準々決勝の4試合目、鳥羽-立命館宇治がナイター試合で行われた。

 午後10時30分を過ぎても戦いが続いた一戦。試合はシーソーゲームとなり、5-5のまま延長戦に突入。延長11回表2死一、二塁で、立命館宇治の1番中村滉成外野手(2年)が右前適時打を放ち勝負を決めた。試合終了は午後10時37分、試合時間は3時間36分に及んだ。

 この日、当初は午前8時30分から順に4試合が行われる予定だったが、最近の記録的猛暑による選手や審判の健康面が考慮された。

 第3試合が午後1時30分、第4試合が同4時開始の予定だったが、第2試合の後に休憩時間をはさみ、第3試合を同4時、第4試合を同6時30分開始に遅らせた。第3試合が長引いたこともあり、第4試合は同7時1分に開始された。

 立命館宇治の里井祥吾監督(33)は「連盟に配慮してもらってありがたく思う。通常の時間にやっていたら倒れていたと思う」と話した。試合時間が3時間を超えたこともあり「精神的に厳しい戦いでしたが、戦いはまだまだある。今日の勝ちはすごく大きい。手探りで戦っていたので、選手たちは疲れているのではないかな」と気遣った。この日は午後1時に学校のグラウンドに集合して練習を行い、同4時ごろに球場入りしていた。普段の練習は遅くて午後8時まで。ナイター試合の経験もあるが、これまでは同9時で打ち切られていたと言う。

 決勝打を打った中村はこの日午前7時30分に起床したそうで「集中力は正直限界でした。スタンドの応援が『集中やぞ』と言ってくれました」。ナイターでの試合には「守備が少し見にくかった。空が同じ色で、ボールの距離感がつかめなかったです」と話したが「あまり試合は長くは感じなかったです」と振り返った。

 異例の深夜に及ぶ試合に、京都府高野連も対応に追われた。午後9時50分には「引率者のいない生徒は帰宅してください」などとスタンドへアナウンス。もし午後11時で決着がつかなければ、24日午後4時から再試合を行い、日程を1日ずつずらすことを一時的に決定。日本高野連に問い合わせている最中に、試合が終わった。京都府高野連の井上明理事長は「こんなに長い試合は記憶にない」と話した。深夜に及ぶ試合は今まで例が無く、打ち切る時間も決まっていなかったため、急きょ午後11時をラインに決めた。

 猛暑対策としては肯定的な声も多いが、井上理事長は「みんなで協力して考えた結果。難しいですね…」と指導者として、深夜の試合となることに頭を悩ませた。