<高校野球東兵庫大会:報徳学園3-2神戸国際大付>◇26日◇凖決勝◇ほっともっとフィールド神戸

 目指すべき選手は立浪さん-。高校野球100回大会の日刊スポーツ「編成部長」を務める前ロッテのサブロー氏(42)が、報徳学園(東兵庫)小園海斗内野手(3年)を視察した。守備はすでにプロ1軍レベルで、ドラフト1位候補に挙がるセンスを高評価した。

  ◇   ◇   ◇  

 球場で実際に小園のプレーを見る時は、守備位置に注目して欲しい。ほっともっとフィールド神戸では、相手の遊撃手より3メートルほど後ろ、外野の芝生に入って守っていた。この位置で守る選手はプロでも少ない。ジーター(元ヤンキース)やマチャド(ドジャース)に近い。よほど肩に自信があるのだろう。あそこに守られたらヒットゾーンは狭まる。

 1回2死からは三遊間の深い当たりに左膝をついて反応。3回1死からは中堅に抜けそうなゴロに追い付き、ともに一塁へ強く、正確に送球した。守備範囲の広さはまさに「エリア小園」で、スローイングも安定する。高校生のトップレベルというより、守備は1軍で試合に出ている選手よりうまい。ドラフト1位の12人に入る選手だろう。

 俊足で、すべての動きが見栄えする。格好良く見えるのはプロにとって大切な要素で、PL学園の先輩、立浪さんに近いタイプ。高校時代は寮の広間で立浪さんたちが春夏連覇した87年の甲子園のビデオを何度も見返して、マネをした。走り方、守備、大げさに言えば立っている姿も格好良かった。小園はまだ打撃では及ばないが、守備、走塁は近いレベルで「立浪2世」になり得るセンスがある。

 打撃は1安打だった。振る力、当てる技術はあるが、引っ張り型の打者に見える。もう少しセンター中心の意識があってもいい。打撃は本人の努力次第で何とかなる部分があるが、足と肩は天性のもの。スカウトはそこを見て評価する。小園はプロでスター選手になる要素を持っている。