8年連続夏の甲子園出場の作新学院(栃木)は史上初の2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)に接戦の末敗れた。

 2回にドラフト1位候補、大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)に左翼への三塁打を許し、7番山田健太内野手の犠飛で先制を許したが、3回から登板した2番手佐取達也(3年)が粘りの投球。佐取は「甲子園のマウンドに立てて幸せでした。気持ちで投げた」と緩急を使い、5回無失点の力投で勝敗を分からなくした。

 最後は3番手林勇成投手(2年)が野手の失策などで2点を失い敗戦したが、王者を追い詰めた。小針崇宏監督(35)も「やりざまは今までで一番だった」と認める試合だった。

 ここまでチームを引っ張ってきた磯一輝主将(3年)は「今まで積み重ねてきたものが間違いじゃなかった」とやりきった。スタンドで観戦した父貞之さん(47)は息子の姿を「本当に成長した。特にキャプテンになってからの1年間で内面が成長した」と目を細めた。

 甲子園からメンバー登録された横山陽樹外野手(1年)が2安打を放つなど新チームに明るい材料も見えた。磯主将は「1球で流れが変わるということを後輩に伝えたい」。来年9連覇を成し遂げ、雪辱を果たしに聖地に戻る。