初出場の沖学園(南福岡)が、春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)に敗れたものの、力を出し切って甲子園を去った。

 森島渉内野手(3年)と阿部剛大内野手(3年)が、先発根尾昂内野手(3年)からともにソロ本塁打をマーク。10点は失ったが、6回表までは3-3と食い下がる意地を見せた。

 5回に根尾の142キロの直球を左翼ポール直撃の公式戦初本塁打を放った森島は「打球が伸びてくれた。頭が真っ白になった。打ててうれしかった」と笑みを浮かべた。主将でもある阿部は、8回に根尾の129キロの変化球を左翼席へ運んだ。「高校野球をやってきた中で一番気持ちよかった」と振り返った。鬼塚佳幸監督(36)は「うちの打線としては力は出せたと思う」と選手をたたえた。

 先発した石橋幹投手(3年)は4回2失点も3回までは無失点。「悔いはない」と振り返りつつ、4回に大阪桐蔭の4番・藤原恭大外野手(3年)に打たれた左中間への適時二塁打の打球について「自分の顔の横を新幹線が通るようだった」と目を丸くしていた。