元横浜監督で、94年の第1回18アジア選手権の優勝監督である渡辺元智氏(73)が選手を直接指導し、アドバイスを送った。

中国戦が雨天中止になり、室内練習場で行われた約2時間の練習に参加。当初は激励に訪れる予定だったが、永田監督の要望を受けて指導が実現した。

ジャケットを脱ぎ、黒のジャンパーに着替えて“現場復帰”した。フリー打撃をゲージの後ろから視察し、気になる選手には個別で声をかけた。打者として主軸を任されている野尻幸輝投手(3年=木更津総合)には、ティー打撃のトスを上げながら具体的に指導した。「少しのズレなど、気が付いたことをアドバイスしました」と明かした。

大学日本代表との壮行試合からチームを見ており、特に打撃面が気になっていた。「気持ちがはやっているから、甲子園で出来ていたことが、出来ていなかった。『間を取ったらどうか』と伝えて、改善した選手もいた。来たかいがありました」と納得の表情だった。

練習後には、全員を集めてのミーティングで思いを伝えた。春夏連覇を果たした大阪桐蔭勢や、甲子園を沸かせた吉田輝星投手(3年=金足農)を前に「甲子園の熱気を取り戻してほしい。甲子園決勝の雰囲気を再現したらどうか」とメッセージを送ったという。

指導をお願いした永田監督は「(解説者として)上から見ているから分かることがある。ありがたいなと思った」と感謝していた。