来春のセンバツ出場を懸けた第71回秋季高校野球東海大会が20日、三重・津市営球場ほかで開幕する。26年ぶり4度目出場の御殿場西(静岡1位)は、21日の2回戦で、大垣日大(岐阜2位)-津田学園(三重3位)の勝者と対する。「元4番」の7番末吉剛大外野手(2年)を下位打線の核にして、27年ぶり2度目の甲子園行きを目指す。

御殿場西のグラウンドに、森下知幸監督(57)の小気味のいいノック音が響く。外野手の末吉も一塁へ。泥だらけになって白球に食らいつき、東海大会への思いを口にした。「先を見ずに1戦1戦。チームが勝つために、自分の役割を果たしていきたいです」。

小柄な選手が多い中で、目を引く177センチ、76キロのガッシリタイプ。長打力を期待され、新チーム発足時から4番を任されてきた。東部地区大会では不本意な結果に終わったが、県大会を前に森下監督から「センターから右方向への意識」を強く指摘され、復調の兆しをつかんだ。「地区大会では力んでひっかけていましたが、県大会からは逆方向へ打てるようになりました」。島田商との準々決勝では、同点の8回に決勝の中越え適時二塁打を放つなど、「少しは貢献できたと思います」と胸を張る。

それでも今秋の公式戦打率は2割8分。1番夏賀貞伍外野手(2年)が4割7分8厘、3番新井七輝主将(2年)が4割1分9厘と好調なだけに、7番の末吉が機能すれば、さらなる得点力の向上が見込める。「みんな打率がいいし、もっと打ちたい。いつか4番に戻りたいです」。

一方で、選手、監督としてセンバツ優勝経験のある森下監督は「(末吉は)とにかく明るくてムードを変えられる男。重たい場面で1本打ってくれるといいね」と言った。大切なのは、下位打線でも、明るい末吉が「相手にとって怖い存在」でいること。それが続けば、27年ぶりのセンバツ出場が近づいてくる。【鈴木正章】