来春センバツ出場を懸けた第71回秋季高校野球東海大会が20日、三重・ダイムスタジアム伊勢ほかで開幕する。初出場の清水桜が丘(静岡2位)は、20日の1回戦で岐阜第一(岐阜3位)と対戦。捕手の森下悌樹(ともき=2年)は、献身的なリードでエース敦賀渉投手(2年)から大きな信頼を寄せられている。守備の中心としてチームを初のセンバツ出場に導く決意だ。

全体練習終了後のグラウンドで、森下は自主トレに励んできた。繰り返したメニューは二塁への送球。御殿場西との県大会決勝では7盗塁を許し、責任を感じていたからだ。「もっとランナーを塁にとどめて、敦賀の負担を軽くしたいと思いました」。強豪校との対戦に備え、急ピッチで課題克服に努めてきた。

その成果が表れてきている。14日に行った伊東商との練習試合(15-6)では、盗塁を許さなかった。スローイングの動作が速くなり、送球の精度が向上したことで、相手が必要以上に盗塁を仕掛けてこなかったという。曲田雄三監督(35)は、そんな森下を最大限に評価している。「とても努力をする子。正捕手は彼しかいないというほど、信頼しています」。

努力は、エースの敦賀を支えるためでもある。2人は中学時代に対戦。蒲原シニアに所属していた森下は、静岡中央シニアのエースだった敦賀に抑えられた。清水桜が丘で顔を合わせ、森下は「バッテリーを組めることに喜びを感じました」。すぐに意気投合。1年時から同じクラスで、今では野球以外のことも何でも相談できる間柄だ。

当然、信頼関係も厚い。御殿場西との県大会決勝では、5-5の延長11回2死二塁で決勝打を許した。森下は配球面で猛省したが、敦賀は「森下なら安心して投げられます」と女房役を信じている。森下は「守備が第一」と前置きした上で、「攻めのリードでチームを引っ張りたい」と言った。県大会からの成長を示し、同校のセンバツ初出場を成し遂げるつもりだ。【河合萌彦】