26年ぶり4度目出場の御殿場西(静岡1位)は、2-7で津田学園(三重3位)に敗れた。先発の高田翔太投手(2年)が、6回と8回に打ち込まれ、6失点で降板。打線も津田学園のエース前佑囲斗投手(2年)から4安打に抑えられた。前日に1回戦で敗れた清水桜が丘、静岡とともにセンバツ出場は絶望的。県勢全3校が初戦敗退したのは、掛川西、日大三島、藤枝明誠が出場した2015年以来になった。

御殿場西打線が沈黙した。1回に相手エラーで先制したが、その後は、津田学園エース前の投球に翻弄(ほんろう)された。140キロ台前半の直球と100キロ台後半のスライダーに的を絞れず、放ったのは散発4安打。森下知幸監督(57)は「あのような投手は県内にはいない。あの投球をされたら打てない」と完敗を認めた。

エース左腕で先発の高田は粘投を続けていたが、1-1の5回、打球を左臀部(でんぶ)に受け、フォームのバランスを崩した。結果、6回に5安打を集中されて3失点した。「痛みのあるところをかばいながら投げ、球が高めに浮いてしまいました」。森下監督は「最初からハイペースで投げ、うまく振らせていた」と高田をたたえたが、「6回以降は変化球を対応された」と指摘した。

9回には、主将の3番新井七輝二塁手(2年)が、左翼席にソロ本塁打を放つ意地も見せた。「相手に向かっていく気持ちで打ちました」。それでも、東部地区大会、県大会を通じて計10試合79得点の打線が、抑えられたことが悔しかった。「チームとしては歯が立たなかった。高田が頑張ってたので、もっと点を取りたかったです」。

27年ぶり2度目のセンバツ出場も難しくなったが、指揮官は「甲子園を目指す上で、勉強ができた大会でした」。新井も「あらためて力の差を感じました。もっと技術を高めたい」と言った。県外の強豪校と戦い、自分たちの実力を認識。選手たちは、県の頂点に立った誇りとこの悔しさを胸に、さらに野球を愛し、練習を重ねる。【河合萌彦】