龍谷大平安(京都3位)が、市和歌山(和歌山2位)にサヨナラ勝ちし、4強入り。来年のセンバツ出場に当確ランプをともした。4-4の9回2死一、三塁で5番奥村真大内野手(1年)が左越えにサヨナラ打。「完璧な捉え方だったので、打てて良かったなと思います」と人生初の殊勲打に笑みが弾けた。

奥村は今夏の甲子園でもベンチ入り。3回戦日大三戦では代打で打席にも立った。「甲子園で打席に立っている。その時のプレッシャーや緊張感を忘れていないので、それを思い出すと『もう1度あそこにいきたい』という気持ちが出てきた。冷静に行けました」と経験が後押した。

ヤクルト内野手の展征(23)を兄に持ち、父伸一さんは現在、甲西(滋賀)の監督。奥村は、あこがれの選手に「お兄ちゃんです」と即答する。1年生ながらここぞの場面で決めた勝負強さに、原田英彦監督(58)は「元気があるし、よう声を出す、打ちそうな気がしていました。(普段も)注意されてもへこたれずに声を出す。DNAみたいなものを持ってるんじゃないですかね」と話した。

近畿のセンバツ出場枠は「6」。4強入りを果たしたが、奥村は浮かれることなく次に目を向けた。「ベスト4に入ると(センバツ出場が)近づいてくるのは分かっているのですが、まずセンバツは意識せず、近畿で優勝する目標があるので」と表情を引き締めた。