恩師が後方支援を約束した。富沢清徳新監督(51)が就任した東北(宮城)野球部に2日、竹田利秋氏(77=国学院大総監督)が練習視察に訪れた。63~85年まで同高監督を務めた同氏にとって、富沢監督は東北で最後の教え子。最後の指揮となった85年は富沢主将と「大魔神」佐々木主浩氏(50=日刊スポーツ評論家)とのバッテリーを擁し、春夏連続の甲子園8強に導いた。新体制2日目の練習風景をながめながら、「誠実で仁義に厚い男。選手の頃から、いい指導者になると思っていた。彼がやるなら、お手伝いできれば」とサポートを引き受けた。

竹田氏が33年ぶりに東北野球部グラウンドに立った。今回は富沢監督の就任を機に、学校側から「相談役」をお願いされたという。選手の前では「甲子園はいいところだよ」と訓示。今後も肩書は付かないが「聞かれたことに、分かることならお話ししましょう、ということです」と公式戦視察を含め、定期的に足を運ぶ予定。富沢監督も「技術面だけでなく、人間教育の面でも関わっていただければ」とお願いした。

竹田氏は就任時に低迷中だった東北と仙台育英(宮城)を甲子園常連校に育て、国学院大も2部から1部に定着させた。「再建」の手腕には定評があり、「最初から強い学校を任されたことはないが、やりがいはある」と古巣のために、一肌脱ぐ。【中島正好】