延長12回の熱戦に勝利し、龍谷大平安(京都3位)が5年ぶり6度目の優勝を果たした。龍谷大平安の先発・野沢秀伍投手(2年)が、12回11安打1失点完投。明石商の先発・宮口大輝投手(2年)との投げ合いを制した。

11回まで違いに無得点。両者譲らぬ白熱した投手戦となった。延長12回表、龍谷大平安は失策から走者を出し1点を失ったが、野沢は集中力を切らさなかった。「自分が投げ抜く気持ちでした」と、続く1死二塁のピンチも後続を断ち切った。直後の12回裏2死満塁から、3番多田龍平捕手(2年)が右翼へ2点適時打を放ち、劇的なサヨナラ勝ちを決めた。

前日3日の準決勝でも野沢は101球で7回完投。この日は12回179球を投げ抜いたが、最後まで球威は衰えなかった。「1番を取り返すために」。府大会では背番号1を背負いながら、今大会は背番号11。悔しさが原動力になった。勝利に導く堂々のピッチングに原田英彦監督(58)は「ピッチャーの軸がいなかったが、1本軸になってくれてチームが機能するようになった。よく投げてくれた」と好投をたたえた。

龍谷大平安は9日に開幕する明治神宮大会に出場。愛らしいたれ眉から「おじいちゃん」と原田監督から愛称で呼ばれる左腕は、「粘って勝ったので自信がついた。ストレートで緩急をつけて勝っていきたいです」と笑顔で意気込んだ。