静岡が大金星を挙げた。東京6大学の早大を9-3(規定により7回打ち切り)。エース左腕の斉藤颯斗投手(2年)が、6回を6安打8奪三振で3失点。2番片平吉信主将(2年)が、逆転2点適時三塁打を含む2安打で打線をけん引した。今日24日も静岡市内の3球場で熱戦が繰り広げられる。

静高ナインが攻守に躍動し、東京6大学で最多45度優勝の早大を撃破した。エース斉藤颯は、胸を張って言った。「打たれると思っていたので、開き直って、とにかく腕を振って、自分の良いところを出そうと思いました」。最速134キロだったが、100キロ未満のカーブ、110キロ台のスライダーなどで緩急をつけ、三振の山を築いた。「この経験を生かし、冬にさらに頑張って、来年の夏につなげたいです」。

0-1の3回表無死一、二塁から逆転の2点三塁打を放った片平も、生き生きとした表情で振り返った。「積極的にいって結果がついてきて良かったです。そこから雰囲気も乗ってきて、自分たちの形に持っていけました」。主将の一打で打線に火が付き、チームで10安打。果敢に盗塁を仕掛け、相手のミスにも乗じて7回までに9点を奪った。

1年生も輝きを放った。5番に起用された鈴木壮水内野手が3安打を放つと、7回に2番手で登板した右腕の鈴木悠介投手が、1イニングを無失点で締めた。チーム一丸での金星に、栗林俊輔監督(45)も満足げだった。「力量差はありましたが、やるからには勝ちたいですし、勝ち負け以上に大事なものも得ることができればと思っていました」。格上からの白星による自信と新戦力の台頭。来夏の甲子園出場を目指す選手たちにとって、この一戦は財産になりそうだ。【鈴木正章】

◆大学野球オータムフレッシュリーグ 出場機会の少ない大学1、2年生の育成を目的に創設。大会期間中は地域貢献の一環として、地元高校チームとの交流試合、大学選手による小学生、未就学児への野球教室なども開催される。入場料は育成助成金の名目で1口1000円から。高校生の試合が行われる球場では、終日無料となる。