新潟県高校野球連盟は全国に先駆けて球数制限を導入する。22日、来年の春季県大会で投手の球数制限を導入することを発表した。この日、新潟市の朱鷺メッセで開催された「NIIGATA野球サミット2018」で、杵鞭(きねむち)義孝・県高野連専務理事(51)が明らかにした。全国の高野連が管轄する公式戦では初の取り組みになる。

新潟県高校野球連盟が思い切った決断を下した。全国に先駆けて球数制限を設ける。上限の球数は100球で春季大会限定。100球に達した投手はそれ以降の回では投球できない。甲子園の出場にかかわる夏、秋は実施しない。

富樫信浩県高野連会長は導入理由を「ケガの防止とそれに伴う複数投手制の普及、少しでも多くの選手に出場機会を与えるため」と説明した。14日の県高野連評議会で決定し、各校の指導者には通達済み。「現場からも制度の必要性を願う声が出ていた」と杵鞭専務理事は話した。

新潟の野球部員は減少の一途だった。今夏の県大会出場校は87校82チーム(3チームが連合)とピーク時の約2割減。今年の秋季大会では20校が連合チームでの出場となった。新入部員の数は、ここ2年間は1校平均4人ずつ減っている。歯止めがかからない現状で、多面的な対策が必要とされてきた。

「特にケガで野球を断念する選手をなくさなければならない」と富樫会長。春季大会で実施後、科学的分析、選手、指導者の反応を調べ内容の検討を重ねる予定。必須となる投手の育成は「現場に努力をお願いした。各校の事情に応じてはケアも考える」(富樫会長)。

実施は県高野連独自の決定で日本高野連には後日連絡をするという。富樫会長は「まずやってみる。この流れが全国に広がればいい」と話した。