19年も高校球界を熱くしてくれる選手が数多くいます。ドラフト候補選手を紹介。今回は18年夏の甲子園でブレークした剛腕、創志学園(岡山)・西純矢投手(2年)です。

衝撃の甲子園デビューだった。昨夏の甲子園1回戦。優勝候補の一角とも目された創成館(長崎)を相手に、西は16三振を奪って完封。2年生の無四球完封は初めてだった。

甲子園では派手なガッツポーズでも話題になった。控えるよう注意を受け「挑発ではない。自分を鼓舞するため」と周囲の反応に戸惑った。闘争心はそうそう秘められない。秋季大会では登板後にベンチに下がってから「よっしゃー」と声を出すなど、工夫した。

一躍ドラフトの目玉になったが、秋は悔し涙で終わった。中国大会準決勝。勝てばセンバツ当確の試合で、広陵(広島)にコールド負け。0-1の8回に自らのバント処理ミス(失策)から大崩れした。精神的なコントロールができず、大量失点で試合が終わった。「自分の悪いところが出た」と責任を背負い込んだ。

悔しさは力に変える。現在は150キロ。「春には155キロを出したい」と見据える。最終的な目標は160キロ。そして「勝てる投手になりたい」。

投球スタイルやしぐさなど、典型的な「剛腕」のイメージが強いが、目標とする投手は地元広島のスターだったドジャース前田健太。一回りも二回りも大きくなって、最後の夏を迎える覚悟でいる。【柏原誠】

◆西純矢(にし・じゅんや)2001年(平13)9月13日、広島県生まれ。小学2年から鈴が峰レッズで軟式野球を始め、阿品台中ではヤング広島に所属。中2夏に全国優勝。3年時にNOMOジャパンに選出された。創志学園では1年春からベンチ入り。2年春から背番号1。昨年のU18日本代表候補。184センチ、79キロ。胸囲90センチ。右投げ右打ち。