夏の甲子園に8年連続出場中の作新学院(栃木)が14日、同校OB会主催の「第1回学童野球交流会」を行った。宇都宮市内の同校に県内から150人の小学生が集まり、同校野球部員たちと触れ合った。

従来の野球教室とは違う光景が、グラウンドに広がった。ゴムボールとプラスチックバットを使っての的当てに、玉入れ用の布玉を投げての段ボール倒し。小針崇宏監督(35)の「体を動かすことの楽しさを感じてほしくて、今回は発想を変えてみました」という思いが、随所に込められた。小学生たちは学年問わず、夢中になっていた。

それでもやがて飽きるのが子ども。小針監督はそこも工夫を凝らす。段ボールのタワー倒しを何度か繰り返すと「よし、今度は利き手とは反対で投げよう」「目をつぶって投げたら当たるかな?」と次々と応用編を提案していった。

野球部員もリーダーを中心に、応用の流れに乗る。タワーの四方を部員たちで囲み「高校生が段ボールを隠したぞ、倒せるかな?」と企画したのは岡部将也選手(2年)。「監督から頼まれて、いくつかネタを考えてきたんです」という。子どもたちはますます興奮し、タワーに(必然的に選手に)布玉を投げ始めた。

「動き回る子どもたちにどうやったら静かにしてもらえるか、そんなことも学んでほしい」と小針監督。期待に応えてか、子どもたちをおんぶしたり、「静かにしないとママや監督に言っちゃうぞ」と鬼のふりをする選手もいた。「チョー楽しい!」。興奮する子どもたちの独り言が、何度も聞こえた。【金子真仁】