第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の出場校選考委員会が25日午前9時から、始まった。21世紀枠は困難な練習環境を克服したり、地域貢献など、野球以外の要素を選考条件に加え、甲子園出場のチャンスを広げる目的で01年から導入された。過去の同枠のトピックスを振り返る。

21世紀枠を導入した01年は安積(福島)宜野座(沖縄)が選ばれた。宜野座は見事に4強入りし、夏も甲子園出場。独特の「宜野座カーブ」が話題になった。

04年に出場した一関一(岩手)は、右腕エース木村正太投手が同年のドラフト会議で巨人に指名された。

08年からは21世紀枠が3校に増え、安房(千葉)成章(愛知)華陵(山口)が出場。華陵は初戦で強豪・慶応(神奈川)に1-0で完封勝利する活躍を見せた。09年は利府(宮城)が宜野座以来となる同枠での4強入りを果たした。

11年3月の東日本大震災で被災した石巻工(宮城)が12年に出場。阿部翔人主将が「人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることはつらいことです。しかし、日本が1つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています」と選手宣誓した。

13年は85回記念大会で、遠軽(北海道)いわき海星(福島)益田翔陽(島根)土佐(高知)の4校が出場。土佐は私立校では初の選出となった。18年は由利工(秋田)膳所(滋賀)伊万里(佐賀)が出場。膳所のデータ班分析による大胆な守備シフトが話題になった。

03年の隠岐(島根)11年の佐渡(新潟)14年の大島(鹿児島)16年の小豆島(香川)と離島勢も出場している。

北海道、岩手、宮城、和歌山、島根からは過去に21世紀枠で各3校が選ばれている。一方で19都府県から、いまだ選出がない。今回、石岡一(茨城)清水桜が丘(静岡)金津(福井)八尾(大阪)熊本西(熊本)が選ばれれば、各府県から初の同枠出場になる。