第91回選抜高校野球大会の選考委員会が25日、行われ、龍谷大平安(京都)の3年ぶり41度目の出場が決まった。出場数は全国最多を更新した。注目は「生まれ変わった」甲子園一族の男・奥村真大内野手(1年)だ。

ヤクルト奥村展征を兄に持つだけでなく祖父・展三さん(元衆院議員)、父・伸一さん(滋賀・甲西高監督)も甲子園出場を経験している。しかし真大が家族と違うのは心臓手術をしたばかりでの甲子園出場という点だ。この9日に不整脈を改善するカテーテル手術を受け、14日から練習に復帰したばかり。

「走るのも何も全然、問題ないです。これまでの不調がなくなって、なんだか生まれ変わったような感じです」。中学時代から不整脈を持っていた。「急に息が詰まるような感じになったりしていた」。呼吸が乱れるなどの不調があった。我慢して生活、練習していたがこの冬、症状を改めて医師に相談したところ、手術を勧められ、決断した。

「今は甲子園で本塁打を記録した兄を抜くのが目標。もちろん狙って打てるわけはないけど安打の延長で打てればいいですね」。「兄弟アーチ」が実現すれば兄に洋服を買ってもらう約束をしており、新たな気分で春に臨む。【編集委員・高原寿夫】