盛岡大付(岩手)及川温大主将(2年)が、優勝候補筆頭の星稜(石川)を初戦の相手に熱望した。14日、第91回選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)に出場する32校の主将が集う、大阪市内での「キャプテントーク」に出席。最速150キロ右腕・奥川泰伸(2年)を擁する昨秋の明治神宮大会準優勝校に、挑戦する姿勢を強調した。今日15日には組み合わせ抽選会が行われる。

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及川主将が大本命を引き当てる決意を固めた。「1回戦で星稜を引きたいです。投手も良いし、相手が格上。勢いがついてしまうと止められない。挑戦者の気持ちでぶつかれば、初戦が一番チャンス」。昨夏の甲子園、同秋の明治神宮大会など全国舞台経験豊富な“横綱”に対し、“初日”の金星を誓った。

昨秋の岩手県大会で大船渡の最速157キロ右腕・佐々木朗希(2年)を打ち崩し、7-5と勝利した自信も強みにする。花巻東時代の大谷翔平投手(現エンゼルス)攻略用で使用していた高速設定の打撃マシンを、昨秋から「ロウキくん」と名付け、練習を重ねてきた。同主将は「あれは、ヤバイっす。測ったら170キロを超えていた。ボールが出る前に振る感じ。でも目は慣れたし、奥川投手のイメージは出来ています。びびったら負けますから」。優勝候補を問うアンケートには、堂々と「盛岡大付」と記入して提出した。

今冬、部員全員が食事から見直し、10キロ弱の体重増にも成功。目標としたベンチプレス85キロもメンバー全員が達成してパワーも得た。寮母さんが作る、通称「背脂」が力の源。ひき肉に小魚を混ぜて、お好みでマヨネーズも加える。オンザライズが定番だ。「監督さんの奥さんも食トレに協力してくれたし、支えていただいた皆さんへの感謝のためにも、全国レベルを肌で感じて夏につなげたい」。

同校は95年夏の初出場以降、春夏初戦9連敗を喫したが、13年センバツ初勝利からは出場5大会連続初戦突破中。17年には春夏連続8強入りし、今大会の1勝は通算10勝目の節目となる。3月に入り、沖縄合宿を経て、九州での練習試合は打線好調。「あとは守備と走塁面」。残り約1週間で、星稜撃破の「盛付劇場」を演じる“稽古”を積み重ねるつもりだ。【鎌田直秀】