初出場の札幌大谷は第2日(24日)第3試合で、米子東(鳥取)と対戦することが決まった。相手は鳥取屈指の進学校で、データを駆使し昨秋の中国大会で準優勝した。札幌大谷も昨秋の明治神宮大会初戦で、事前データを武器に龍谷大平安(京都)を撃破し頂点まで駆け上がった。今春も分析力を生かして初戦突破し、勢いに乗る。

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「秋の王者」札幌大谷の甲子園初陣は、選手16人で中国大会決勝まで勝ち進んだ米子東に決まった。創部10年の自分たちに対し、相手は創部119年、センバツ準優勝経験もある伝統校。飯田主将は「少ない人数でやってきた分、チームワークがあると聞いた。自分たちもムードを明るく保ち、団結力で負けないようにしたい」と意気込んだ。

打率こそ出場32校中最低(2割4分2厘)の米子東だが、中国大会の1、2回戦を計24四球で勝ち上がるなど、決まり事を徹底し、粘り強く立ち向かってくるのが特長のチーム。札幌大谷は明治神宮大会で頂点に立ち、“追われる立場”となったが、飯田は「分析はされると思うけど、自分たちはもう昨秋の自分たちではない」と、ひと冬でさらに成長した姿を見せる。

データ野球では、むしろ分がある。頂点まで駆け上がった明治神宮大会では、初戦の相手・龍谷大平安を徹底的に分析。船尾隆広監督(47)が、打者がかかと重心であることを指摘し、捕手の飯田が外角変化球を中心に西原健太、太田流星(ともに3年)の2枚看板を好リードした。飯田は「今回もしっかりデータを入手して、神宮大会のときのように、配球に生かせるようにできれば」。秋同様に、万全の準備で初戦から流れをつくる。

道勢の対鳥取勢戦績は過去2戦全勝。第2日第3試合という日程も、前向きにとらえている。「早めに甲子園で初戦をしたかったので良かった。日曜日だし北海道からもたくさんの人が応援にきてくれる。恥ずかしくない試合をしたい」。万全の準備を整え、秋春連続で旋風を巻き起こす。【永野高輔】